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日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

急増する子どもたちと登録日本語教員の活用―令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査

令和7年度の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」がまとまり、文部科学省から発表されました。また、同じタイミングで「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」の報告書案がまとまりました。報告書案の中では、急増する学校の子どもたちへの対応として登録日本語教員の活用が提言されています。

令和7年度の増加率は過去最大に

「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」は、文部科学省が隔年で行っている調査です。

この調査は、小・中・高等学校等における日本語指導が必要な児童生徒の学校での在籍状況、指導・進路状況など、日本語指導が必要な児童生徒を取り巻く実態を把握し、今後の施策に活用することが目的です。調査対象は、全都道府県、市町村教育委員会、国立大学附属学校、私立学校で、令和7年5月1日現在における子どもたちの在籍状況が分かります。

それによれば、公立学校における日本語指導が必要な児童生徒の在籍人数は過去最高の84,759人と、2年前の調査から1万5000人以上増加し、過去最大の増加率となったことが分かりました。

日本語指導が必要な児童生徒の在籍する学校数も増えていますが、特に「(子どもたちが)1人以上在籍する学校数」と「100人以上在籍する学校数」がともに増加しており、散在化と集中化が並行して起きている状況が見えてきます。

令和6年度末と比較した進学状況は、日本語指導が必要な児童生徒のうち、中学生の高校等進学率は増加、高校生の中退率は減少、また高校における「特別の教育課程」による指導を受けている児童生徒の割合は令和5年度の5.6%から令和7年度の15.6%と大きく増加しています。これは、それまで小中学校だけだった「特別の教育課程」が、2023年から高校でも採用されるようになったことが影響しているものと思われます。

プレスクールやプレクラスの役割

令和7年度の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」結果発表と時を同じくして、「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」の報告書案がまとまりました。

ここでは、急増する子どもたちへの対応策の一つとして、プレスクール(小学校就学前の支援)やプレクラス(初期日本語指導教室)の活用について述べられています。なお報告書では、入学後の学校生活への円滑な移行や言語に関する支援等を行う取組を「プレスクール」、学齢期の児童生徒に対する取組を「プレクラス」としています。

例えば、プレクラスについては、「来日直後等において、学齢期の外国人児童生徒等が、学校生活や教科学習等に移行していくために必要な初期の日本語等を学ぶことを目的に、地方公共団体を中心に実施されているプレクラスは、外国人児童生徒等の学校生活への円滑な適応を促進する上で重要な役割を果たしている」とその役割を評価し、「外国人児童生徒等の緊張を和らげ、安心感を与えるとともに、受入れに十分なノウハウを有していない学校や教師にとっても、その負担を軽減する等の効果が期待され、実施する地方公共団体も増えつつある」と状況を分析しています。

しかしながら、「現状においては参照すべきモデルが確立されておらず、教育課程における扱いや、体制、指導内容、実施期間、対象者等は地方公共団体ごとに多様である」といった課題も挙げ、プレクラスの指導者に指導経験や専門性が求められるとしています。

登録日本語教員

ここ求められる人材として、以下のように登録日本語教員の活用が提言されています。

具体的には、登録日本語教員等を特別非常勤講師や日本語指導補助者として活用することが考えられる。その際、教育職員免許法施行規則等の関係法令の改正を要する可能性があること、現在中央教育審議会において検討が進められている教師の養成・研修・採用の在り方に関する議論も踏まえることに留意が必要である」

現在は「教員免許」が小中学校等で教える場合には必須ですが、将来的に「特別非常勤講師」や「日本語指導補助者」として、「教員免許」を持たずともプレクラス等で日本語を教えることができるようになる可能性が出てきました。

また、都道府県・市町村教育委員会が登録日本語教員を活用するために、登録日本語教員が登録できる「日本語教育機関認定法ポータル」を利用して、地域の登録日本語教員を把握することが重要であるとしています。

さらに、登録日本語教員がその専門性を生かしてプレクラスで活躍できるよう、対象となる登録日本語教員がプレクラスの実施に必要な知識を習得するための研修等の機会を確保する必要があるといった意見も出されています。

参考:

令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00007.htm

外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議の報告書案

https://www.mext.go.jp/content/20260525-mxt_kyokoku-000049969_03.pdf

執筆:新城宏治

株式会社エンガワ代表取締役。NPO法人国際教育振興協会 日本語教師ネットワーク機構代表理事。高崎健康福祉大学非常勤講師。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の魅力を世界に伝えたいと思っている。