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日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

令和8年度日本語教員試験攻略法~応用試験編 

令和8年度の日本語教員試験は令和8年11月8日(日)に実施されます。日本語教員試験は、基礎試験と応用試験がありますが、試験ルートと養成機関ルートの人がいずれも受験しなければならないのが応用試験です。今回は応用試験の攻略法を考えます。 

改めて、応用試験の特色を整理する 

応用試験は読解試験と聴解試験で構成されています。 

読解試験は試験時間100分・出題数60問・60点満点、聴解試験は試験時間50分・出題数50問・50点満点です。 

合格基準は総合得点で6割程度の得点があることとされています。応用試験は60点+50点=110点満点ですので、66点以上が合格基準となります。総合得点ですので、読解試験でも聴解試験でも、とにかくたくさん点数を取った方が合格に近づきます。 

出題内容は 

・基礎的な知識及び技能を活用した問題解決能力を測定するため、教育実践と関連させて出題する 

区分を横断する出題のため、領域ごとの出題割合は示していない 

・応用試験の一部は聴解試験とし、日本語学習者の発話や教室での教員とのやりとりなどの音声を用いて、実際の教育実践に即した問題を出題し、問題解決能力を測定する 

となっています。 

教育実践ということから、令和7年度の応用試験では、区分4「言語と教育」や区分3「言語と心理」からの出題が大半を占めていました。 

必ずしも現職者有利の試験ではない 

令和7年度の日本語教員試験終了直後には、ネットでこんな声をよく見掛けました。 

・現職者有利の試験問題だった。 

・応用試験の問題は教えた経験がないと解けない。 

・一応答えを選んだが、全く自信がない。もやもやした。 

・聴解試験はスピードが速く、1回で聞き取るのは難しかった。 

令和7年度の試験は本当に現職者有利の試験だったのでしょうか。改めて試験結果を見てみましょう。主に現職者層と非現職者が多いと思われる層の合格率を比較してみます。 

基礎試験と応用試験の両方の受験者:合格率 

①試験ルート(非現職者中心):35.9% 

②経過措置Fルート(現職者):33.3% 

応用試験のみの受験者:合格率 

③養成機関ルート(非現職者中心):70.0% 

④経過措置Cルート(現職者に限らない層):70.2% 

⑤経過措置D-1ルート(現職者):67.6% 

⑥経過措置D-2ルート(現職者):74.1% 

まず、基礎試験と応用試験を両方の受験者である①と②を比べると、非現職者中心と思われる①の方が、現職者である②の合格率を上回っています。また、応用試験のみの受験者では、非現職者中心と思われる③④はいずれも70%を超えていますが、現職者である⑤⑥を合わせた合格率は69.7%になり、わずかですが、非現職者中心と思われる③④の方の合格率が上回っています。数字を見る限り、必ずしも現職者有利、教えた経験がなければ不利とは言えないようです。 

読解試験の対策 

読解の問題では、特に前述の「一応答えは選んだが、全く自信がない」という声がよく聞かれました。 

これは無理のないことではないかと思います。と言うのは、教育実践を扱った問題の場合、4つの選択肢のうち、1つだけが明らかな正解で、残り3つが明らかな不正解ということは少ないからです。明らかな不正解が2つ、残り2つで迷うというケースが多いように思います。多くの方が「もやもやした」というのも当然かと思います。 

読解の試験範囲は基礎試験と同じですが、より教育実践に引き付けた、区分横断問題が多くなります。そのため、表面的・断片的な知識ではなく、その背景や周辺も含めた深い理解と、広い知識のネットワークが求められます。 

また、読解にはある種の出題傾向があるように思われます。特に評価法、子どもの言語習得、新しい教授手法などのトピックについて出題されやすい傾向があるようですので、特にしっかり準備をしておくことが大切です。 

聴解試験の対策 

聴解試験では、音声学の基礎知識はもちろん必要ですが、それだけでは十分ではなく、試験問題の音声を聞いて瞬時に答えを出す訓練(トレーニング)が必要になります。 

聴解問題は次々に流れてきます。次の問題が聞こえてくるまでの短い時間の中で答えを出さなければなりません。時間をかけて正解を導くのでは、高い点数は望めません。 

そのためには、本番同様、試験問題の音声を1回で聞き取る練習を、何度も何度も繰り返すことが大切です。何度も聞いていくうちに耳が慣れてきますので、市販の聴解試験の問題集を問題文や解答を覚えてしまうぐらい何度も繰り返して練習してください。 

練習を積み重ねると、それが自信になります。自信があれば、落ち着いて聴解試験に臨めます。落ち着いて聴解試験に臨めば、音声が速く聞こえることもなくなります。実際、日本語教員試験の聴解試験のスピードは、日本語教育能力検定試験の聴解試験のスピードとほとんど変わらないというのが、令和7年度試験を受験した私の実感です。 

執筆:新城宏治 

株式会社エンガワ代表取締役。NPO法人国際教育振興協会 日本語教師ネットワーク機構代表理事。高崎健康福祉大学非常勤講師。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の魅力を世界に伝えたいと思っている。 

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