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【2026年版】「登録日本語教員」の資格取得の難易度は?

登録日本語教員」とは、「日本語教育機関認定法」に基づき2024年に創設された国家資格です。日本語教師として、国の認定を受けた「認定日本語教育機関」で教えるためには、この資格が求められるようになりました。今回は「登録日本語教員」の資格取得には、どのようなステップが必要なのか、資格取得のための試験はどのようなもので、難易度はどの程度なのかなどを解説します。

 登録日本語教員とは?

2024年4月、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(日本語教育機関認定法)」という法律が施行されました。この法律によって、民間の日本語学校等の日本語教育機関が、在留資格「留学」の学生を受け入れるためには、文部科学大臣による「認定日本語教育機関」の認定を受けることが求められるようになりました。そして、この「認定日本語教育機関」で教える教師には「登録日本語教員」という国家資格が求められるようになりました。

登録日本語教員」制度の詳細は文部科学省のこちらのサイトをご覧ください。

登録日本語教員の資格取得の難易度は?

国家資格「登録日本語教員」を取得するためには、どのようなステップが必要なのでしょうか。また、難易度はどれぐらいなのでしょうか。

 資格取得に必要なステップと2つのルート

これから登録日本語教員になろうとする場合、大きく分けると2つのステップがあります。まず日本語教師としての基礎的な知識を有しているかどうかを測る「日本語教員試験」に合格すること、そして、合格後に実践研修(45時間以上)を受講することが求められます。これらの要件を満たした上で、国に登録申請を行い、認定されれば登録日本語教員の資格を取得することができます。

資格取得ステップの第一関門となる「日本語教員試験」には「基礎試験」と「応用試験」があり、「応用試験」は「読解」と「聴解」に分かれています。試験範囲が広く、難易度もそれなりに高いですが、一定期間かけてしっかり学べば合格に必要な知識を身につけることは可能です。試験内容の詳細は後述します。

さて、資格取得に必要なステップとして、「日本語教員試験合格+実践研修の受講」と先述しましたが、日本語教師養成講座の受講経験、修了の有無などにより、大きく2つのルート(「試験ルート」「養成機関ルート」)があります。ルートによって免除される試験や研修があるので、以下、ルート別にみてみましょう。なお、両ルートとも、学歴、年齢、母語、国籍は問われません。

 試験ルート

「試験ルート」は、養成講座受講などを経ず、独学などで資格取得を目指す人のルートになります。ステップとしては、日本語教員試験の「基礎試験」と「応用試験」の両方を受験・合格することが求められ、合格後は「登録実践研修機関」の登録を受けた教育機関で「実践研修」を受けることが必要になります。

養成機関ルート

「養成機関ルート」は、民間の日本語教師養成講座や大学の養成課程などを経て資格取得を目指すルートです。養成講座・課程は「登録日本語教員養成機関」の登録を受けた講座で受講することが必要です。このルートでは、「基礎試験」は免除され、「応用試験」のみの受験が課されます。試験ルートと同様、合格後は、「登録実践研修機関」の登録を受けた教育機関で「実践研修」を受けることが必要ですが、養成課程に実践研修が含まれている場合は免除されます。

(参考)「現職者以外の人が登録日本語教員を目指す場合」(文部科学省)

試験の合格率と合格基準は? 第2回の基礎試験の合格率は大幅アップ!

第2回となる「令和7年度 日本語教員試験」は、2025年11月2日に実施され、結果は同年12月12日に公表されました。それによると、受験者は全国で1万7,597人、合格者は1万1,876人で、合格率は67.5%でした。ただし、「合格者」には経過措置によって全試験を免除された人も含まれています。

ルート別にみると、「試験ルート」で受験した人は3,538人で、基礎試験合格者は1,309人、応用試験合格者は1,269人で、合格率は35.9%でした。一方、「養成機関ルート」で、応用試験を受験した人は2,409人で、合格者は1,686人、合格率は70.0%でした。

なお、試験ルートの受験結果については、第1回と比べると大きな違いが見られました。第1回は3,681人が受験し、基礎試験合格者が323人、応用試験にも合格した人は322人で、合格率は8.7%という狭き門でした。合格者数を見てわかるように、特に基礎試験が難しかったことが低合格率の要因だといわれています。第2回試験では、問題の見直しが行われ、相対的に易化したこともあり、合格率は35.9%と上がりました。ここが第1回と第2回の大きな違いだといえます。

基礎試験

基礎試験は「試験ルート」で登録日本語教員の資格取得を目指す人が受ける試験です。出題内容は、「必須の教育内容で定められた5区分において、各区分で6割の得点があり、かつ総合得点で8割の得点があること」とされています。しかし、先述したように、第1回の試験は問題の難度が高く、基礎問題の範疇を超えていたという指摘が多くありました。第2回は問題内容が見直され、問題は比較的オーソドックスで基礎的なものになりました。それとともに、総合得点は「8割程度」、区分ごとの得点も「6割程度」と、「程度」という文言がつき、合否判定に若干の幅を持たせる表現となりました。

 応用試験

応用試験は「試験ルート」および「養成機関ルート」で登録日本語教員の資格取得を目指す人が受ける試験です。出題内容は「基礎的な知識及び技能を活用した問題解決能力を測定するため、教育実践と関連させて出題する。応用試験の一部は聴解問題とし、日本語学習者の発話や教室での教員とのやりとりなどの音声を用いて、実際の教育実践に即した問題を出題し、問題解決能力を測定する」とされており、合格基準は6割程度とされています。

「基礎試験」「応用試験」の出題内容や合格基準、第2回の試験における合格率や出題内容などの分析は以下をご覧ください。

「基礎試験」:https://nj.alc.co.jp/entry/20250922-kisoshiken

「応用試験」:  https://nj.alc.co.jp/entry/20251008-oyoushiken

合格率について:  「日本語教員試験 令和7年度の実施結果発表 ー基礎試験の合格率が大幅アップ」

 合格に必要な勉強時間

資格取得までのステップや合格率などが確認できたので、ここからは合格に必要な勉強時間について考えてみます。

まず、「養成機関ルート」で、民間の養成講座を受講する場合、文部科学大臣によって認定されている「登録日本語教員養成機関」で学ぶ必要があります。養成課程の時間数は375単位時間以上と定められており、さらに、実践研修も一体的に行われる場合は420単位時間以上となります。どれぐらいの頻度で受講するかにもよりますが、一般的には半年から1年かけて学ぶことが多いようです。

一方、独学などで「試験ルート」で合格を目指す場合、それまでの経歴や培ってきた既有知識の量などにもよりますが、養成講座で375単位時間かけて身につける内容を学ぶことになるので、相応の勉強量が必要になります。期間としては、既有の知識がある程度ある場合、最短で3カ月、そうでない場合は半年~1年は必要なようです。必要な知識を効率的に身につけるためには専用の教材で学ぶことも一つの手段です。 

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合格を目指すために特に押さえておくべきことは?

どんな試験でも同じですが、合格を目指すためには、まず何が、どんな形式で問われるのかを知ることが必要です。

何が問われるのかをつかもう

日本語教員試験の出題内容は、「登録日本語教員 実践研修・養成課程コアカリキュラム」(令和6年4月1日中央教育審議会生涯学習分科会日本語教育部会決定)」で示された「養成課程コアカリキュラム」の「必須の教育内容」に沿ったものになります。

この試験は過去問題が公開されないことになっており、実際にどのような問題が出題されたのかはわかりません。ただし、試験の実施元である 文部科学省のサイトに出題範囲やサンプル問題が掲載されているので、必ず確認しておきましょう。

また、試験は過去2回実施され、その情報をもとに問題集も市販されています。それを全分野を通して解き、自分がどの分野を勉強するとよいかをつかむことも試験対策を立てる上で役立つでしょう。

足切りがあるのでどの分野の知識も満遍なく

「基礎試験」の合格基準は、総合得点で8割程度とされていますが、それだけでなく、各分野6割程度を超えていることが求められています。したがって、10割取るつもりで、苦手分野を残さずに知識を満遍なく押さえておくことが大切です。

受験経験者からのアドバイス

その他、細かい点になりますが、受験経験者から、注意したい点、対策に力を入れるとよい点を挙げておきましょう。

まず、応用試験にある聴解試験で注意したいのが、音声が1回しか読まれないということ。過去の試験で、どのような形式で出題されたのかを確認しましょう。第3回も同じ形式で出題されるかどうかはわかりませんが、少なくとも知っておくことで心の準備はできます。また、本番では、前の問題が解けなくても、それにこだわらず、次に流れる音声に集中するようにしましょう。

次に、試験ルートの場合、「基礎試験」に合格しないと「応用試験」は採点がなされません。まずは基礎試験でしっかり得点できるよう、知識を頭に入れましょう。先述の通り、各分野6割程度、総合得点で8割程度が合格基準ですから、問題集を解いて自分の弱点を知り、補強することが必要です。

まとめ

今回は、「登録日本語教員」の国家資格を取得するためのステップ、難易度、勉強するべき内容などについて解説しました。すでに2026年の「日本語教員試験」は11月8日(日)に実施されると発表されています。試験まで約半年です。早めに勉強をスタートさせて合格を勝ち取りましょう。なお、出願期間は7月中旬から8月中旬と短いので、申し込みも忘れずに。

令和8年度日本語教員試験の概要

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