
アルクでは語学に興味のある社員が多数働いています。今回、社員のHさんが令和7年度日本語教員試験(応用試験のみ)を受験すると知ったアルク日本語教材チームは、Hさんに「2025年4月に発売した『アルク登録日本語教員養成セット』のみを使って勉強して!」とお願いして実際に、このセットを使って学習を進めてもらいました。そして、結果は見事合格! セットを使った感想や勉強の進め方などをインタビューしましたので、今後受験する方はぜひ参考にしてください。
本格的に勉強を始めたのはお盆明け
――Hさん、応用試験合格、おめでとうございます! Hさんはなぜ今年、応用試験を受験しようと思ったのでしょうか。
大学時代の専攻が日本文学で、その延長で日本語教育にも興味を持ちました。それで3年間、日本語教育も副専攻で取って、実習にも行かせてもらいました。
その後、就職は日本語教師向け・学習者向けのコンテンツを両方出しているアルクへ。今は日本語教育にど真ん中という部署ではないですが、たまに、日本語学校に訪問したりして学習者と触れる機会はいただいている、という状況です。
一応大学で実習まで受けて応用試験の合格のみで資格が取得できるので、期限もあるし、今せっかく関わっているところで働いているっていうのもあって、受験することにしました。
――11月の試験のために、いつごろから勉強を始めたんですか。
8月の中旬、お盆明けぐらいですね。社会人で仕事をしているし、ということで始めるタイミングを逃していましたが、もう試験まで3か月を切るということで始めることにしました。
――勉強のスケジュールは始めるときに立てましたか。
はい、ざっくりですが、最初の1か月間(9月半ばまで)は基礎知識を身に付ける、次の1か月(10月の半ばまで)は、問題演習・復習を中心に知識を強化する、10月半ばから半月は、過去問を解くか問題集に取り組む、というスケジュールを立てました。
記録を見ると、平日は通勤時間40分を含んで2時間半ほど勉強の時間を取っていて、休日は8月9月ごろは3時間ぐらい、直前は最低5時間~8時間ぐらい勉強していました。
――かなり短い期間ですが、集中して取り組んだんですね。
「日本語教員の基礎知識」で基礎固め

――アルク登録日本語教員養成セットは、日本語教師として必要な知識を養う「日本語教員の基礎知識」全10巻を基本として、『日本語教員試験 対策用語集』『日本語教員試験 まるわかりガイド』「ポイント学習動画」で試験対策の学習ができるセットです。最初の基礎固めのところでいうと、「日本語教員の基礎知識」がちょうどいい教材になると思いますが、実際に読んでみてどうでしたか。
はい、「日本語教員の基礎知識」全10巻を読んだ感想としては、各巻が「試験対策」ということに収まらず、日本語教師になるためのレシピが流れとして頭に入ってくる感じだなと思いました。これ試験に出るからとか、この用語絶対に覚えて! っていう感じではなかったです。書籍であり、研究書でもある、という印象を受けながら読んでいました。
――基礎を身に付けるということで、何回も繰り返し読んだとか……。
はい、10巻全てを大体、5周読みました。1回1回深く深く読むというよりは、全体像をつかむためにささーっと読むのを5回繰り返した感じです。電子版もあるので、通勤時は電子版を利用していました。そして、後で『日本語教員試験 まるわかりガイド』、『日本語教員試験 対策用語集』を読んだときわからないことがあれば、またその部分を「日本語教員の基礎知識」に戻って読むという使い方をしました。
あの、実は8月末まで日本語教育能力検定試験で行われているのと同じように、400字以内で書く記述式問題もあると勘違いしていて、記述式問題の対策のためにも「日本語教員の基礎知識」でいろんな知識を、単語単語のぶつ切りではなくて流れやつながりで全体的に頭に入れた方がいいのではないかと考えていました。
後で記述式問題は日本語教員試験にはないことがわかりましたが、知識を紐づけてつながりを意識して学んだのは実際の試験対策としても役に立ったと思います。
――そうそう、途中まで記述式問題があると思っていたんですよね。「日本語教員の基礎知識」で面白かった巻などはありましたか。
そうですね、2巻の「言語学の基礎」が好きですね。ひたすら日本語について考える巻ですけど、日本語教育ではいわゆる国語とは文法がまたちょっと違う部分があったり、普段使っている日本語が構造的に解説されると全然違って見えるという部分が好きなので、結構意欲的に読んでいたかなと思います。
『日本語教員試験 対策用語集』は用語を自分で説明できるようになるまで読む!


――セットのほかの教材、『日本語教員試験 対策用語集』『日本語教員試験 まるわかりガイド』についても聞きたいんですが……。
「日本語教員の基礎知識」を一通り読んでつかんでから、9月の半ばからは『日本語教員試験 対策用語集』(以下、『用語集』)を読み始めました。好きなポイントとしては、用語一つについて解説が付いているんですけど、かなり詳細に説明があるので、その部分が軽く読み物として読めるところです。
多分、私は『用語集』をセットの中でも一番使ったような気がしていて「日本語教員の基礎知識」を5周したけど『用語集』は10周はしたかな……。3~4周目からは解説の文章を隠し、用語の意味を自分で説明できるかに挑戦していました。
あと、もうひたすら電車で通勤中に、無料アプリBoocoで『用語集』に付いているクイズを解いてましたね。クイズで「言語と教育」が弱いなと思ったら「日本語教員の基礎知識」で該当する巻を読む、などの使い方もしていました。アプリでは、間違えたクイズの記録が残らなくて、もう1回解き直せないという点がちょっとな、と不満に思っていたのですが、11月の試験直前ぐらいに改善されていて、今はその機能が付いた状態になっています。
『日本語教員試験 まるわかりガイド』(以下『まるわかりガイド』は9月の末あたりから『用語集』と並行して取り組み始めました。「ガイド」といっても、タイトルの印象と違って問題の量がしっかりありました。『まるわかりガイド』の問題も、多分3周ぐらいしました。聴解試験が、実際の試験ではいろいろな種類の問題がランダムに出る形式なんですが、その点も『まるわかりガイド』で挑戦していたので本番で慌てずにすみました。
――あとは「ポイント学習動画」も使っていましたか。

はい、見ていました。私、個人的には動画学習が苦手で、紙のテキストで勉強したい方なんですが、このセットに付いている動画はかなり文字で追っていけるタイプなので、自分にとっては見やすかったです。1本15分ぐらいで、ちょっと早めに再生したりして、満員電車の中でも使えたので便利でした。
特に言語と音声分野の動画は活用していて。音声対策がかなり直前になってしまったので動画でひたすらやっていました。口腔断面図などの知識の部分は動画で頭に入れて、それ以外の時間で『まるわかりガイド』などを使って実際の音声の問題を聞くようにしていました。
実際の試験問題はどうだった?
―― 一つの教材を単体で使うだけでなく、複数の教材を横断し、工夫して自分に合うように使っていますね。では、実際に日本語教員試験を受けてみて、教材の内容とのつながりはどう感じましたか。
そうですね、『まるわかりガイド』などを解いていて、CEFRとか日本語教育の参照枠とか、著作権に関してとかが比較的出題されやすいのかなと思って直前に補強したりもしていたんですが、実際に今回はそれ単体の問題はというのはなかったかと思います。応用試験を受ける人は、そのような知識はもうベースとして前提として持っていてね、ということなんだと思います。「日本語教員の基礎知識」に入っている知識を基に、それをどう実践に生かすか、が問われたという印象でしたね。「日本語教員の基礎知識」と『用語集』で知識に抜けがないようにしておくことで、焦らずにすんだかと思います。
あと、実はセットには入っていないんですが、『日本語教育能力検定試験 対策問題集』(アルク)も直前にすごく急いで3周ぐらい解いていて、日本語の情報処理能力が上がって解答のスピードも速くなっていたことも、見直す時間が取れたのでよかったと思います。
教材を絞って取り組んだことが結果としては……
――『日本語教育能力検定試験 対策問題集』も試験は違うけれども、出題範囲は同じなので対策として使えますからね。では、まあセットに入っていないテキストも1冊使ってはいますが、「アルク登録日本語教員養成セット」を使って学習を進めてみて、全体としてどうでしたか?
今ってSNSとか見ていても情報がありすぎて、その情報が憶測の域を出ない場合もあるし、それで焦ったり惑わされたりしてしまうと思うんです。で、それで焦るよりも絞っちゃってそれに集中してやったほうが結果はいいんじゃないかなと。
――なるほど。今回は私たちが「アルク登録日本語教員養成セットで受かってね」とお願い――してある意味強制的に使ったわけだけど、それがかえってよかった?
はい、それでよかったです。他のところを見る余裕がないので。自分一人でやっていると、あれもやったほうがいいんじゃないか、これも見ておいた方が、ってなってしまうけれど、もう「これ」って決まっているのが精神衛生上もよかったと思います。
――なにか、これから受験する人に伝えたいことはありますか。
そうですね、自分の失敗からですが、記述式問題があると思っていたぐらいなので、効率よく学習を進めるためにも、試験の構成、どのような問題がどう出るのか、というのは事前にしっかりと調べておくことを強くお勧めします! それから聴解問題対策は、私は取り掛かるのが遅くなってしまって焦ったので、慣れるためのもとにかく早めに対策を始めるのがいいと思います。
教材に関しては、このセットはテキストの電子版や、アプリ、動画でも学習できるので、そのときの状況に合わせて時間を無駄にすることなく勉強を進められます。
仕事をしながらでも、時間をやりくりして「これだけやったから大丈夫」と思えるぐらい自信を付けて試験に臨めるといいですね。
――ありがとうございました。改めて、合格おめでとうございます!




