
国際交流基金の海外日本語教育機関調査の最新データが発表されました。機関数、教師数、学習者数はいずれも増加が見られ、また国・地域別や教育段階別では、前回の調査から傾向の変化も伺えます。海外の日本語教育の今の姿が、機関調査のデータから見えてきます。
機関数、教師数、学習者数は過去最多に
2024年度海外日本語教育機関調査の結果概要は以下の通りです。なお、有効回答率は84.8%でした。これらの数値は、いずれも過去最多でした。
日本語教育の実施:143カ国・地域
機関数:19,344機関
教師数:80,898人
学習者数:4,000,750人
前回、調査が行われた2021年は新型コロナウイルスが世界的に影響していた時期で、海外の日本語教育機関数・教師数・学習者数も、一時的に減少しました。しかし、今回の調査により、その影響が払拭されたことが数字的にも明らかになりました。
国・地域別では大きな変動はなし
国・地域別に見てみましょう。まず、学習者数(順位)です。
中国(1)、インドネシア(2)、韓国(3)、オーストラリア(4)、タイ(5)、ベトナム(6)、米国(7)、台湾(8)と、1~8位の国・地域に変動はありませんでした。また今回、ミャンマー(9)、インド(10)が新たに10位以内に入ってきました。
地域的にはアジアの学習者が全体の8割近くを占め、中等教育課程の学習者が全体の約半数を占める傾向は、これまでと大きく変わっていません。
次に、機関数(順位)です。
インドネシア(1)、中国(2)、韓国(3)、オーストラリア(4)、米国(5)、台湾(6)、タイ(7)、ミャンマー(8)、ベトナム(9)、インド(10)となりました。
特筆すべきは、前回調査まで1位だった中国が2位に後退し、インドネシアが1位になったこと、新たにミャンマーが8位に入ったことです。
教育段階別では、学校教育以外の機関が大幅に増加し、その分、初等教育と高等教育がやや減少しています。日本での就労希望者が、日本語を学ぶケースが東南アジア、南アジアで増加していることがわかります。
最後に教師数です。
中国(1)、韓国(2)、インドネシア(3)、ベトナム(4)、米国(5)、ミャンマー(6)、台湾(7)、オーストラリア(8)、タイ(9)、インド(10)となりました。
大きな順位の変動はありませんでしたが、やはりミャンマーが新しく6位に入ったことが目を引きます。
ポップカルチャーへの興味から日本語学習へ
最後に日本語学習の目的・理由です。
アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味(1)、日本語そのものへの興味(2)、歴史・文学・芸術等への関心(3)、日本への留学(4)、日本での将来の就職(5)となりました。
前回調査では、「日本語そのものへの興味」が1位でしたが、今回は「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」が1位となりました。また、「日本への留学」「日本での将来の就職」が数値を伸ばしました。
実際、来日する留学生や、日本で働く外国人労働者は年々増加しており、世界各地での日本語学習者の増加が、日本へ向かう学習者の流れを後押ししていることがわかります。
「2024年度海外日本語教育機関調査 結果概要」の詳細は、以下をご覧ください。
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/information.html
執筆:新城宏治
株式会社エンガワ代表取締役。日本語教育に関する情報発信、日本語教材やコンテンツの開発・編集制作などを通して、日本語を含めた日本の魅力を世界に伝えたいと思っている。




